あるテレビ番組の特集を見て、とても衝撃を受けました。「日本で子どもの貧困なんて本当なのか?」と半信半疑ながら、目から涙が流れていました。
「おかずが無くて寂しいけど、ご飯は腹持ちがいいの」と、兄妹でふりかけやお茶漬けだけでご飯を食べる女の子。「テレビ局が大げさに編集しているのでは?」と疑いながら、自分の少年時代や娘と重ねて見ていました。
「腹持ちがいい」なんて言葉を、子供の頃に使った覚えはありません。もちろん娘も普通に食事をしているし、外食にも行きます。子どもの貧困が日本の社会問題としてあることが事実なら、なんとか解決できないかと気持ちが高揚していました。
2015年6月1日に知人のSNSで、社会貢献活動のこども食堂を知りました。シェアされていた記事が、ハピママの「【こども食堂】おばちゃんが300円でお腹いっぱいにしてくれる!子ども専用食堂があったかい」でした。
「この活動は素晴らしい!一時的な寄付などではなく、継続して協力できる事はないか?」と高揚した心持になった私は、翌日メールで、「一度お会いして話しを聞かせていただけませんか?」とメッセージを送りました。私のお願いを快く承諾していただき、6月22日にお会いする機会をいただきました。
そんな時、偶然J:COMからテレビ中継の出演依頼をいただきました。ねりまこども食堂の金子さんから、「始めたばかりで周知に困っている」とメールで伺っておりましたので、宣伝になると考え出演のお願いをしました。そうして、約束していた22日より早く、生中継の当日6月9日に初めて金子さんにお会いすることになりました。
そして迎えた22日に、ねりまこども食堂を見学に訪れました。開催場所は練馬区谷原にある真宗会館、最寄り駅は西武池袋線 練馬高野台駅。食堂には賑やかな子供たちの声があり、周りではボランティアの方が温かく見守っていました。食事が終われば、隣の大広間で遊んだり、宿題をしたりしていました。そこでお母さんたちの交流も生まれ、とても素晴らしい雰囲気でした。ねりまこども食堂を見学して、「やはり素晴らしい活動だ、ぜひ支援していきたい」という強い気持ちになりました。
それから、「子どもの貧困・孤食」について、さらに調べました。17歳以下の子どもの6人に1人が貧困状態である、このことは近年テレビの特集番組などでご存知かと思います。日本の子どもの貧困率は16.3%、それがひとり親世帯になると、54.6%と大幅に上昇します。(平成24年)母子世帯が増加傾向にあり、シングルマザーの貧困状態が顕著に表れています。(平成23年)しかし、「健康保険証が使えず、医療券で医者にかかる」「車の所有が難しい」「原則的に貯金は禁止」など、制約が大きいために、生活保護を利用しない・できない家庭が多い。
また、貧困家庭の子どもは野菜の摂取量が少ない傾向にある。さらに、貧困状態でない子どもとの環境の違いから、家に引きこもりがちになり、高校を中退してしまう。その内7割くらいが、アルバイトで暮らしているというデータもある。そして、貧困家庭で育った子どもは、自分が社会人になっても貧困状態に陥る割合が高いとの指摘も。
出典:厚生労働省・文部科学省・厚生労働省研究グループ・OECD(経済協力開発機構)
つまり、子どもの貧困問題はさまざまなことに紐づいており、貧困の連鎖を引き起こしていると考えています。だから私は、一つの仮説を立てました。「子どもの貧困・孤食の問題を改善することが、これらの負の連鎖を抜本的に断ち切る、ひとつの鍵になると」最初の一步として、こども食堂の活動を支援すべく、開店を決意いたしました。