すべての子供が安心してふれ合える居場所づくり
2023年7月に開催した活動の様子を書き送ります。参加してくれた子供たち、ありがとうございました!
私たちは、放課後に子供たちがわくわくするような時間を過ごすことができる場を提供することを目的としています。この場所では、発達に障害を抱えている子供や不登校の子供たちも、気兼ねなく安心して過ごせる地域に開かれた居場所を目指しています。
また、マインクラフト(Minecraft)「通称マイクラ」というゲームを体験できる機会を提供しています。大人は「ゲームばっかりやって!」と言いがちですが、近年そのゲームとしての面白さのみならず《学習効果 》にも注目が集まっています。
7月6日(木)に開催した活動のようす
パソコンの準備をしていると、脇に荷物を抱えながら男の子がやってきました。「何を持ってきたの?」と質問すると、笑顔で取り出したものは幼稚園の卒業アルバムでした。「懐かしいな~」と感傷に浸りながら眺めていましたよ。「これは〇〇くんで、これは〇〇へ行った時で…」と思い出のおすそ分けもしてくれました。
そんなやり取りをしている時に女の子もやってきました。そして、そのままマインクラフトが準備してあるパソコンに向かって行き、黙々と作業を始めました。でも、ふたりとも今日は珍しく「マイクラ飽きちゃった…」といった様子です。すると、女の子がひとつの提案をしました。「この10分タイマーが鳴ったら公園へ行こう!」と。そうと決まると、女の子はソワソワした様子で待ちきれないようです。時間になると、ダッシュで公園へ向かって行くのですが、その足が早いこと早いこと。もう姿が見えなくなるほどです。
公園で鬼ごっこをしている時に、女の子がクイズを出してきました。その問題が「私の好きな虫はなんだ?」というものだったのですが、私が答えても「ぶっぶー」と言われてぜんぜん当たりません。「ヒントは?」とお願いすると、「黒」というので、アリ、カブトムシ、ダンゴムシやクワガタと答えても不正解。「降参です!」と言うと「正解は~クモでした!」と教えてくれました。「へ~クモが好きなんだ~」と声をかけると、「そう、だから今日クモのぬいぐるみ持ってきたでしょ!」と話してくれたのですが、私の頭は「?」です。「え?あのモンスターのぬいぐるみはクモなの?」と確認するしかありませんでした。
夕食の献立
公園での遊びを終え帰ってくると、夕食の時間まで畳の上でゴロゴロYouTubeを見ながらくつろいでいました。献立はそうめんです。子供たちは「そうめん初めてだね~」と言いながら食べてくれていました。夕食の後は、Nintendo Switchやけん玉で遊んだりしながら過ごしました。
7月20日(木)に開催した活動のようす
今日はオープンの時間が過ぎても子供たちがやって来なかったので、私は料理の仕込みをしていました。献立は、香ばしく美味しいドライカレー。ということで、野菜をみじん切りのように細かく包丁でカットしていると、後ろから扉の開く音が聞こえました。振り向くと、夏の陽射しに肌を焦がした小麦色の女の子がこちらへと歩み寄ってきました。
私が彼女に「プールに行ったの?」と聞こうとすると、早々に女の子は「マイクラでインターフォンの作り方をYouTubeで見たから、〇〇君と一緒にやりたい!」と元気に語りかけてくれました。そう言って彼女はすぐにパソコンの前に座り準備を始めています。
それから間もなく、男の子が大きな荷物を抱えて到着。「アスレチックのおもちゃ持ってきたんだ」と言いながら、テーブルの上に嬉しそうに出してくれました。「お手本を見せてあげるね」と彼は手慣れた動きでボールを転がしました。見ているだけなら簡単そうなのですが、実際にやってみるとなかなか難しい。女の子もちょっとイラついています。
ひとしきり遊んだら、二人は再びマインクラフトの世界に戻りました。イクラではオウムを捕まえて楽しんでいましたね。
夕食の献立
男の子は「お腹空いた〜」と言っています。調理している匂いを嗅ぎつけて、食欲をかき立てられているようです。女の子もご飯をたくさんおかわりしていました。さすがに遊び疲れたのか、食事が終わると、子供たちは少々眠そうな顔を見せました。
7月27日(木)に開催した活動のようす
最初に訪れた女の子は、自分が一番に到着したということに嬉しそうにしていました。彼女は「ちょっと見せたいものがあるの」と言い、私に話しかけてきました。「何か持ってきてくれたの?」と問いかけると、「もう夏休みだからたくさん子供たちが来ると思って、他の子が遊べるようにゲームを持ってきたの」と彼女は話し始めました。その言葉を聞き、彼女が一段と大人びて見えました。
彼女が取り出したのは、カラフルなタブレット端末。一見すると、学習教材によく使われているものと見間違うほどでした。「何か勉強しているの?」と問いかけると、「これはドラえもんのゲームで、勉強と遊びの両方ができるんだ」と教えてくれました。「やってみて!」と私に勧めてくれましたが、「やっぱりお手本を見せてあげるね」と言って、選んだゲームをプレイし始めました。その様子に思わず微笑んでしまいました。しかし、遊んでいる途中でバッテリーが切れてしまい、「もう何でだよ」と言いながら、彼女はMinecraftをプレイしているパソコンに向かいました。
しばらく後、外から覗いている男の子が見えました。彼は女の子と一緒にマインクラフトを楽しみにしていたようです。しかし、彼女はなんと、Minecraftでプログラミングの手法を覚え、それを使って男の子にいたずらをしようと企んでいました。男の子は当然、早くマインクラフトを始めたい一心で、待ち切れなさそうでした。こうした子どもたちの掛け合いも、コミュニケーションスキルの育成に一役買っています。もう一人の男の子は、Minecraftで家を作ることに夢中でした
夕食の献立
夕方6時頃から、「お腹が空いた〜」と食事の時間を待ちわびていました。しかし、食事の時間が近づくと、押し入れに入って遊び始め、何やらお菓子やタブレット端末を持ち込んで秘密基地ごっこを始めていました。食事の準備が整ってもなかなか出てこず、やっとのことで夕食を食べてくれました。
夕食後は再びMinecraftの時間。そして、その日の遊び時間はそこで終わりました。片付けの際、Minecraftの世界を覗いてみると、見事な家が建っていました。屋根の作り方や壁にハートのオブジェクトを設置するなど、建築スキルがいつの間にか向上していました。子どもたちは知らず知らずのうちに成長していくものですね。
ご参加くださりありがとうございました。
また次回も子供たちに再会できることを楽しみにしています!